※本記事は一般的な情報提供であり、保険加入を否定・推奨するものではありません。最終的な判断はご自身で行い、不安があればFPなど専門家にご相談ください。
「生命保険に入ると節税できますよ」と言われたことはありませんか?
実は、保険の所得控除による節税額は思ったより少なく、控除目的だけで高額な保険に入ると損をすることもあります。
本記事では、年収500万円のケースで生命保険・医療保険・個人年金保険の節税額を具体的にシミュレーションし、本当にお得かどうかを解説します。
所得控除とは?保険で節税できる仕組み
「所得控除」とは、税金を計算する際のベースとなる課税所得から差し引ける仕組みです。
控除によって課税所得が小さくなるため、最終的な税額も少なくなります。
税金計算の流れを数式風に表すと、次のようになります:
収入(給与) − 給与所得控除 = 所得金額
所得金額 − 所得控除(基礎控除・扶養控除・生命保険料控除など) = 課税所得
課税所得 × 税率(所得税+住民税) = 税額
👉 ここで生命保険料控除は、課税所得を小さくする効果があります。
ただし「控除額 = 節税額」ではなく、控除額 × 税率が実際の節税額になる点に注意が必要です。
実際の還付額の目安
例えば、一般の生命保険控除は最大4万円(所得税)+2.8万円(住民税)が控除対象。
年収や税率にもよりますが、先に述べたように、「控除額×税率=節税額」になりますので所得税率が10%の方だと6.8万円×0.1=6,800円還付されます。
高所得者の場合でも所得税率は30%や最大45%程度ですから節税額は数千円〜数万円程度になります。
年収500万円での生命保険控除額をシミュレーション
実際に年収500万円の場合(所得税率:10%、住民税率:10%で試算)でシミュレーションしてみます。
年収500万の方であれば、20,400円節税効果がありますが、保険の合計支払額は20万4千円です。控除を目的に高額保険に入っても、支払保険料の方が大きくなるケースが多いです。
そのため本当に必要な保障額を見極めることが大事です。残りはオルカンに投資するなどした方が資産増加が期待できます。
| 保険種類 | 所得税控除額 | 所得税節税額 | 住民税控除額 | 住民税節税額 | 合計節税額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般生命保険 | 40,000円 | 4,000円 | 28,000円 | 2,800円 | 6,800円 |
| 介護医療保険 | 40,000円 | 4,000円 | 28,000円 | 2,800円 | 6,800円 |
| 個人年金保険 | 40,000円 | 4,000円 | 28,000円 | 2,800円 | 6,800円 |
| 合計 | 120,000円 | 12,000円 | 84,000円 | 8,400円 | 20,400円 |
注意点
所得税率は累進課税が採用されているため、年収が高いほど節税効果は高く、年収が低いほど節税効果は低くなります。
まとめ
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控除は「おまけ」と考えるべき。
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必要のない保険に入り、支払いを増やすのは本末転倒。
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貯蓄や投資に回した方が将来の資産形成になる場合が多い。
皆様も保険加入時には、目先の「お得」よりも少し俯瞰してみて本当に自分たちに必要なのか考えてみるとお金が貯まる体質になりますので、ご参考になればうれしいです。
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