この記事でわかること
- 奨学金を返済するか、投資に回すか迷った場合の判断材料
- 実際に数字でシミュレーションした結果
- 低金利借金と投資リターンのバランスの考え方
本記事の内容は個人の経験に基づくものであり、投資は自己責任で行ってください。投資判断はご自身で十分に調査・検討の上、行ってください。
はじめに
借金は早く返すべき――そう思っていました。
しかし、数字で比べてみると、意外にも「返済を急がず、投資に回す方が資産を増やせる可能性がある」ことがわかりました。
この記事では、奨学金480万円を抱える私が、実際に計算した結果と選択の理由を整理します。
私の奨学金スペック
- 借入金額:4,800,000円
- 返済期間:240回(20年間)
- 利率:年0.330%(第二種)
- 月々返済:約21,000円(元利均等)
- 現在:30歳、42歳で完済予定
比較:繰上返済 vs 投資
返済額と投資額の合計が10万円(返済額2.1万、投資額7.9万)になるという条件で考えます。繰上返済後は残りの資金を投資に回す想定です。
| シナリオ | 内容 | 備考 | 差額(繰上返済なし比) |
|---|---|---|---|
| ① 5年後 繰上返済 | 最初5年:返済+投資(7.9万円)→5年後一括返済、残15年全額投資 | 一括返済は約370万なので、5年目終了時の段階で総資産から370万円引かれ、その後10万円積立 | -277万円 |
| ② 10年後 繰上返済 | 最初10年:返済+投資→10年後一括返済、残10年全額投資 | 一括返済は約248万なので、10年目終了時に総資産から248万円引かれ、その後10万円積立 | -112万円 |
| ③ 繰上返済なし(20年) | 毎月7.9万円を20年間ずっと投資 | - | - |
最終資産額(年利5%の場合)
- ① 約 2,870万円
- ② 約 3,035万円
- ③ 約 3,147万円
上記シナリオの結果、繰上返済を行わず投資に回す方が最終資産は大きくなります。年利5%は保守的に見積もっていますが、過去40年の株式市場平均は7%程度なので、実際は③のシナリオはさらに有利になる可能性があります。
- 年0.33%の奨学金利率は、投資リターン(5〜7%)より圧倒的に低い
- 差額の4〜6%分がそのまま資産成長につながる
結論
金銭的には、繰上返済せず投資に回す方が有利な可能性が高いです。
ただし、心理的に「借金がある状態が不安」と感じる方は、早めに繰上返済してスッキリする方が良い場合もあります。
※損失の可能性もありますので、十分注意してください。
考察:なぜ投資が有利なのか
- 奨学金の利率は年0.330%と非常に低い
- 投資信託やETFは年5〜7%の期待リターン
- 差額の「年4〜6%」分、繰上返済せずに資産を増やすチャンスがある
- 月2万円強の返済が生活に大きな負担でなければ、繰上返済は急がず資産形成を優先でも良いかもしれません
私の選択
私は現在、42歳までゆっくり返済する予定です。浮いた資金はVYMやHDVなど高配当ETFに毎月積立投資し、資産をじわじわ増やしています。借金が残る不安は多少ありますが、資産の増加スピードを見ると納得の選択です。
まとめ
- 借金の心理的ストレスが強い人 → 繰上返済
- 借金より資産増を優先したい人 → 投資
- 中間派 → 一部繰上返済+一部投資
私の選択が、誰かの判断材料になれば嬉しいです。
おまけ
Pythonで簡単なローン計算ツールも作ったので、気が向いたら紹介しようと思っています😌(いつか記事にします)